2023年10月1日

薬剤師から

〜保湿剤による冬の乾燥対策〜

冬は外の気温が下がって室内の湿度も低下し、空気の乾燥がつよい季節です。
空気が乾燥していると、肌の水分が蒸発しやすい状態を引き起こします。また、気温が低いと血行が悪くなるとともに皮脂や汗の分泌が減少してしまい、肌のバリア機能も弱まってしまいます。

・軟膏や保湿クリーム、ベビーローションなどで保湿しましょう

冬の肌の状態に合わせて、いつも使っている保湿アイテムを変えてみるのも、肌を乾燥させない対策としておすすめです。

・加湿器などで室内の湿度を適度に保ちましょう

部屋にいる時はミスト式加湿器を置くなどして、空気中の湿度の低下を防ぐように工夫をしましょう。

お風呂の残り湯を利用して、部屋を加湿するのもおすすめです。入浴後にお風呂に湯を残し、浴室のドアを開けておけば、浴室の湯気が部屋の中へ移動し加湿できます。湿度が高くなりすぎないよう、部屋の湿度が十分に上がったタイミングでドアを閉め、残り湯を抜き、換気扇を回して浴室を乾燥させましょう。

・適度に運動をしましょう

冷えによる血行が悪くなることを防ぐには、日常に運動を取り入れて血行を促進するのがおすすめです。室内で体を動かす場合の運動は、ヨガやストレッチ、筋トレなどを取り入れると良いでしょう。

・水分補給はこまめに行いましょう

空気の乾燥による水分の蒸発を防ぐ一方で、体に水分を取り入れることも乾燥予防につながります。空気が乾燥すると、肌のバリア機能が低下し水分が蒸発しやすくなります。肌の新陳代謝に必要な水分も失われ、肌トラブルが起きやすくなるでしょう。また、鼻やのどの粘膜が乾燥すると、ウイルスが体内に侵入しやすくなり、風邪を招くこともあります。

保湿剤の塗り方

乳幼児から保湿は必要です毎日のスキンケアを行うことでお肌の様々なトラブルを回避又は軽減することができます。お風呂に入ったらお肌が乾ききっていないうちに保湿剤を塗りましょう。赤ちゃんの皮膚は薄く、刺激に敏感なので一枚余計に皮膚を作ってあげる気持ちで保湿剤を良く塗布してあげて下さい。

塗り薬はどれくらいの量を塗ったらいい?

目安としてFTU(フィンガーチップユニット)を使います。 軟膏の場合、FTUは大人の人差し指の一番先から第1関節に載る量で、約0.5gに相当します。これを1FTUと呼び、 大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。 ローションの場合は、1円玉大が1FTUとなります。

ステロイド外用剤と保湿剤はどっちから塗ったらいい?

ステロイド外用剤と保湿剤の併用では塗る面積の広い保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を湿疹等の赤みが強い部分だけに塗ります。先にステロイド外用剤を湿疹等に塗ってから、保湿剤を塗るとステロイド外用剤が塗る必要のない部分まで広がることで、副作用が起きる可能性があります。

保湿剤の選び方

・季節に合わせて選ぶ

湿気の高い季節は、油分が少ないローションや、すっと液状化してさっぱりとした使い心地のフォームがいいでしょう。また、真冬や乾燥しやすい季節の場合は、クリームがおすすめです。

・塗布部位に合わせて選ぶ

塗布部位が顔で、特に乾燥が気になる場合は、基礎化粧品と同じような使い勝手のクリームやローションを。塗布後にさっぱりとしたい場合は、フォームを使うのもいいでしょう。手やひざなど乾燥しがちな部位は、しっかり保湿をするクリームが適しています。頭皮など毛が生えている部位には、べたつかずに保湿のできる油分が少ないローションやフォームが良いでしょう。

基材の特徴

●クリーム:スッと延びて肌になじみます。塗布後に衣類につきにくい利点があります。

●ソフト軟膏:柔らかく塗布しやすいです。しっとりした使用感でクリームより油分が多いため保湿効果はいいです。ジュクジュクした傷や汗疹、おむつかぶれなどにも使用できます。

●ローション:乳液タイプと化粧水タイプがあります。べとつかないので、さっぱりとしています。夏場など汗をかきやすい時期には使用しやすいです。頭部など毛が生えている部位にも使用可能です

●フォーム:きめ細かい泡状の保湿剤です。泡状であるため薬剤が流れにくく広範囲に塗布できます。油分をほとんど含まないためさっぱりとした使い心地が特徴です。